今夜から大雨だそうです、うちの方。明日あさって、息子の林間学校なのに
どうしましょう。(^^;)
さて、記事の方は 地味な木。ご近所にありますよねぇ、こんなの。
一年中変わらず もこもこしていて、何となく黒っぽい常緑樹。
植えられている場所は、神社が圧倒的に多くて、そのほかにも、学校や公園、
役所の前…なんて言う公共の場が多くて、あまり個人のお庭では見かけません。

初夏の今頃、ちょっと黄色がかって、
ああ、こんな木でも新芽が出るんだなぁと思えばまだ、良い方で、
たいていは、有って当たり前、特に気をひくことは無し…っていう存在じゃないですか?
こんな木にも名前はあります。この木の名前は「スダジイ」。初夏にお花の季節を迎えます。
その昔、原始時代くらいの昔のことですが、日本の土地の大部分は照葉樹と呼ばれる、
表面がてかてかしていて、厚くて日の光を通しにくい葉っぱの常緑樹の森だったそうです。
日中も薄暗く深い森は、恵みをもたらすと同時に、おそれの対象にもなったそうです。
人々が農耕を始め、森を切り開き 田畑を作る必要に迫られた頃、
何かは解らないけれど、何か恐ろしいものに たたられないように、
森の一部を集落の中に保存して、神として祭り、悪いことが起こらないように祈ったのだそうです。

それが今でも、各地に鎮守の森として残っている…という話を以前、聞いたことがあるんですが、
「うっそうとして昼なお暗い鎮守の森」の代表って、関東ではこのスダジイなんじゃないでしょうか。
そのくらい、この木の下、枝の間は 黒っぽいイメージがつきまといます。
それはたぶん、この木の葉っぱが色も濃いめの緑の上に、裏側が茶色いからだと思うんです。
でも、この時期だけは違います。
黄緑色の若葉と薄い黄色のお花の穂で、ひととき金色に輝きます。
スダジイは ブナ科シイノキ属の常緑高木。
西日本に多いツブラジイ(別名:コジイ)と東日本に多いスダジイ(別名:イタジイ・ナガジイ)の
両方を、一般的には「シイ」と呼ぶそうです。
我が家は東日本ですし、図鑑に載っていたのとそっくりなどんぐりが実りますので、
これはスダジイで良いと思います。
ツブラジイも見てみたいんですけどねぇ、可愛いし ♪
どんぐりの他に 図鑑に載っていた2種の相違点は「樹皮」と「葉の大きさ」。
スダジイの樹皮は黒っぽく、大木になると立てに裂け目が入る…のに対して、
ツブラジイの幹は、老木でもなめらかだそうです。
葉っぱのサイズ、スダジイは6〜15cmで、ツブラジイは4〜10cm。
ツブラジイは実だけじゃなくて、葉っぱも小さいんですね。
さて、うちの近所のスダジイの枝先のお花の穂をよく見てみましょう。

これは5/8の時点での様子。
新緑の黄緑色が綺麗ですねぇ。表面がツヤツヤして光っています。
お花の穂はまだ出たばかり、もう少し拡大してみましょう。

あれ?似たような穂が見えます。まだつぼみのようです。
茎につぶつぶがまばらに付いているのと、コロコロがぎっしり並んでいるの…

どっちがおばなで どっちがめばなかな? もう少し時間をおいて見に行って見ましょう。
その前に確認です。スダジイのお花は『本年枝の下部におばな、上部にめばなが付く。』
うん、よしよし、見に行くぞ…。
ハイ、これが5/13の写真です。だいぶおばなが開いてきました。

拡大すると…。↓こうして見るとコロコロがぎっしりの方がおばなだったようです。

こう見えても虫媒花ですよぉ。なんと『小さいながら花びらがあり、おしべが10〜12本突きでる。』
だって。
咲いたよ〜って言う印に青臭いような…生臭いような…すごいニオイが漂ってます。
虫さん達、早く来てあげて〜(^^;)
めばなは…、あ、あの 茎につぶつぶがまばらに付いている方。

はい、撮ってきましたよ。
『めしべの花柱は3本、柱頭の下の部分(基部)はあとではかま(殻斗)になる。』
スダジイのどんぐりの最大の特徴、実を包み込んじゃうはかまは、こんな早い時期から
ちゃんと準備されていたんですね。

はい、おさらいです。
これが初夏のスダジイの枝。おばなはどれで、めばなはどれかな?
ちなみに、スダジイは2年かけて実るどんぐりです。今日見ためばなが、ドングリに
なるのは再来年 ♪ うちの近所では数少ない、生でも美味しい 炒ったら もっと美味しい、
あく抜き不要のどんぐりちゃん。 スダジイどんぐりを知らないと、損するぞ (^^*)
手っ取り早く見たい方は、過去記事からどうぞ。 ↓
2005/ 9/ 8付 「どんぐりの木の様子」 スダジイの若い実
今は他の木を使うことが多いとはいえ、椎茸が出るのは椎の木…つまり、スダジイでもある。
シイタケのほだ木、薪や炭として利用され、実は食料として重宝したろうし ♪
黒っぽいのはタンニンが豊富な印。腐りにくく水に強い材で、建物や船を造り、
樹皮から採ったタンニンで魚を捕る網を染めたりもしたそうです。
子どもの頃、うっそうとして辛気くさい木…なんて思ってしまってごめんなさい。
そんなこんなが解ってからは、スダジイはとっても身近で親しい木になりました。
今年はお花がいっぱい。再来年はどんぐりもどっさり…かな?(^^*)
ブログ内関連ページ:
2005/ 9/ 8付 「どんぐりの木の様子」 スダジイの若い実
どんぐりから芽を出したばかりの姿も可愛いんですよ。
HPの「芽生えアルバム」2ページ目に載っています。
それが数日前、あの独特なクリのような匂い(臭い)に気づいて、上を見て初めてスダジイの花だと知りました。
今は明るい花と葉がいっぱいの木ですね。
舞岡公園のはずれにスダジイの巨木があります。
この木が40年前に引かれた都市計画道路の線上にあって、いつかは切り倒されるか移転させられるか、の運命にあります。
人の古木に対する畏れの気持ちを、現代の役人に期待するのは無理なのでしょうか。
あ、やっぱり「うっそうとして辛気くさい木」だと思っていらっしゃいましたか。
ふふ…、仲間だわ。(^m^)
今、見なくても匂いで解りますよね。(^^;)
我が家の方でも、公園の木は終わったのですが、今度は隣の小学校の木が
香りはじめまして…(^^A)大変です。
でも、いろんな事に利用されてきた、
とっても身近な大切な木だったんだっていうことが解って、
イメージ変わりましたよ。(^^*)←ゲンキン
舞岡公園の巨木、生かしてもらえる道が開けると良いですね。
ただ、最近は昔ほど、むやみの木を切らなくは、なりましたよね。
少しでも遅らせれば遅らせるだけ、市民の意識の方も変わってくるでしょうから、
この木は切るなーってことに…なると良いですね。
あ、もう、終わっちゃっ居ましたか?スダジイの花。
これからは黄緑色の若葉が、たっぷり 出て綺麗に衣替えするのが見られますね。
お隣韓国にはドングリを食用とする伝統があるくらいです。
もちろん、食べられるものもありますよ。
他のはタンニンが多くて渋いそうで、
食べるためにはだいぶたくさんの手間をかけて
渋をなくさなくてはなりません。
でも、スダジイは、生でも美味しいところがいいんです。
そして、スダジイのかくとは、他のどれにも似ていないので
見間違いようがないですよ。お味見できると良いですね。
むしろ、過去に自分がスダジイのドングリとして写真を掲載した木がコジイの疑いあり。あのころは殻をかむって剥けかけた姿のドングリは全部スダジイだと思っていましたし、細部まできちんと観察してませんでした。
継続観察を続けます。
あら?コジイの疑い有りですか?
…ディックさんのブログの過去記事を見てみましたが、
どのドングリも、私が「スダジイ」だと思って眺めているのにそっくりでした。
「コジイ」はまだ見たことがないのですが、図鑑を見る限り、
パチンコ玉並にまん丸でしたよ。
それから、殻斗代わりの皮のむけ方が、☆の形のように5つにも6つにも裂けていました。
「コジイ」が見つかると良いなぁと思いつつも、う〜ん、どうでしょう。
継続観察お願いします。