ひょろひょろっと背の高い草が 花を咲かせていました。
セリの仲間のノダケです。

夏、白い花を咲かせる仲間が多いセリ科の中で、秋も深まってから、
暗い赤(暗紫色)の花を咲かせる ノダケ。かなりの個性派です。
お山で、シシウドなどを見慣れた目には、ずいぶんと か細く見えます。
花が少なくなる晩秋に、この色は独特で、とても目立ちます。
一見 渋いたたずまいですが
良く見ると、魅力的な部品がいっぱい付いているのがわかります。
まずは、葉の付け根にあるサヤから、つぼみがのぞいているところ。

セリの仲間には良くある、葉の付け根のサヤですが、
葉の先の3枚だけ小さな葉が付いているのって、今まであったでしょうか?
しかも、このちっちゃい葉っぱ、赤い縁取り付きです。
もう、ものすごく可愛い!

葉のサヤの中で しずく形をしていたのが、つぼみです。
もう一枚の皮が開くと、花の穂(複散形花序)がでてきます。
可愛かった葉っぱもそれにつれてちょっと大きくなったりして…。
たまに、白い花が咲く ノダケもあるそうです。
でも、この色(暗紫色)じゃなかったら、ノダケと解らないような気がします。

花は、5つの花弁と5本のおしべ。
おしべは花が開いてからぐーんと伸びるタイプ。
ガクがあっても花弁のない花は数多いのですが、
セリの仲間はなんと、花弁があって、ガクが退化しているものが多いそうで、
すると、この地味なものも、
ガクではなくて花びらと言うことになります。
この間のシャクチリソバとは大違い〜。(^^)
真ん中の部分は、図鑑には「柱下体」と書いてありました。
単純にめしべ…じゃないんだ〜。

受粉が済むと、「柱下体」の下の子房がぐんぐんふくらんで 実になります。
ふちに翼がでるのも、セリ科っぽい実の姿です。
花のうちは赤くて、実になると緑色になります。

茎を下へ辿っていくと、こんな葉っぱがありました。
図鑑には、3出羽状複葉って書いてあるけど…
これも、ノダケの葉っぱでいいのかな?

裏は白っぽくて、細かいひび割れ模様がありました。
ノダケは民間で利用されてきた薬草で、
ゴボウに似た根っこを干して、煎じて、
せきを鎮め(鎮咳)、たんをのぞき(去痰)、熱を下げる(解熱鎮痛)のに使います。
生薬名を前胡(ぜんこ)と言うそうです。
それから、陰干しした葉っぱをお風呂に入れると、
お肌がしっとりして、よく暖まるのだそうです。
名前の由来は、
葉の付け根のサヤが、タケノコの皮のように見えるから野竹…とか、
背が高くて目立つところから、
野丈、野高…から 変化したものと言う説などがあるそうです。
関東地方より西 に分布しているそうなので、これで結構、
寒がりなのかもしれません。
風邪の症状を緩和してくれたり、入浴剤になってくれたり、
この時期になくてはならない、とっても役に立ちそうな、薬草ですよね。
えらいぞ!ノダケ君。
ノダケ・クマツヅラ・ソクズが今一番育てたい野草ベスト3です。
どんな香りがするのでしょうか?
お風呂に入れるということはトウキに似ているのでしょうか?
興味しんしんです・・・。
細かい解説で葉も花も実も興味深く見ました。
葉っぱをお風呂に入れてみたいです。
姿のいい草でしたよ。色も良かったし…。(しみじみ)
本当に、秋の野にあって然るべきって感じ。
でも、そんなに珍しいものじゃないように思ったのに。
種…採れるかな?自信ないけど、一応、時々行ってみることにしましょう。
それにしても、ベスト3が渋すぎです。(^^;)
家に戻っていろいろ調べるまで、葉っぱも役に立つなんて知らなかったので、
匂いも手触りも調べてきませんでした。
今度こそは!p(−−)がんばるぞ。
期待しないでお待ち下さいませ。←をいっ
コメントありがとうございました。
おーちゃんさん、いらっしゃいませ。
ノダケ、良かったですよ。
秋の終わりにふさわしい、本当にしっとりとした良い色でした。
野原のどこかで 会えると良いですね。
そんなに珍しい草のようには見えませんでしたよ。
どうなんでしょう?
空気が乾いてくると、てきめんに手をやられる私も、
お風呂に入れて、しっとりしたいです、ノダケの葉っぱ。
咲いているのを見ちゃうと可愛そうで、葉っぱをちぎれないんですけど、
とりあえず、また見てきますね。
コメントありがとうございました
綺麗な紫に色づきましたね。
うーん、クロの庭のはこんなに綺麗じゃないかな?ちょっと日陰過ぎるのかもしれません。
この寒さにもめげず、まだ茎は健在ですけど。
とても個性的でぜひ見てみたくなりました。
ごまのはぐささんが見たことがないぐらいだから、よほど珍しいものなんでしょうか。
寒さに枯れこんできた草むらに、こんな姿を見つけたら、いいものでしょうね。
そちらのブログで、花も実も見せていただいていたから、
現物を目の前にした時に、すぐ解りました。
ありがとうございました。(^^)
私が見つけた株は、とっても細かったけれど、色づきは最高でしたよ。
良い草、教えていただきました。
TB送っておきました。(勢い余って2つも行っちゃいましたが…)←ドジ!
実のことで、確認したいこともあるので、引き続き観察するつもりです。
コメントありがとうございました。
おっしゃるとおりに、
枯れこんできた草むらだからこそ、似合う渋さでしたよ、ノダケは。
セリの仲間で、濃い紫の花をつけるのなんて、他にありませんから、
見分けるのは容易いと思うのですが…、
あとは近くにあるかどうかですよね。
珍しくはないはずなんですが…。
ご近所に生えていますように。お祈りしておきます。(−人−)なむなむ
コメントありがとうございました。