元気いっぱいで、可愛いですよね。
さて前回に引き続き今回も、タンポポのガクに付いての記事、第2弾です。

図鑑のタンポポのページを何度も見ていたら、
こんな記述に気付きました。
『関東タンポポは蝦夷タンポポとヒロハタンポポ(東海タンポポ)の
中間的な性質をもっているので、…両者の雑種ではないか…』と考えていた
学者さんがいらっしゃったそうです。
ええぇ〜っ?関東タンポポの出生の秘密…ですか?
分布を見ても、蝦夷タンポポは『北海道、本州の中部地方以北』で、
ヒロハタンポポ(東海タンポポ)は『本州(千葉県〜和歌山県の太平洋岸)』。
意外なことに関東地方、特にわたしの住んでいるあたりは、
両方のタンポポがあってもおかしくない地域なんです。

ちなみに、関西タンポポは『本州(長野県以西)、四国、九州』。
関東には分布していないことになってます。
白花タンポポは『本州(関東地方西部以西)、四国、九州』。
はい、我が家の近くでも見たことありますよ。でも、それはまた別の機会に。
話を元に戻しますと、
分布の上からも、2種のタンポポの雑種かも?と 言う点からも、
蝦夷タンポポとヒロハ(東海)タンポポ そのものや、
どちらかの性質を色濃く残した個体に出会うチャンスはあるかもしれない!
そう思ってから、撮りためてきた写真を見直してみますと…あれれ?っていうのが
結構あります。
ほら、この、葉っぱの切れ込みの少ない子。
見分け方図鑑に載っている、
ヒロハタンポポ(東海タンポポ)の特徴が色濃く出ています。

ガク(萼)、もとい「総苞片」にぐぐっとせまってみましょう。

前の記事の関東タンポポでは、申し訳程度だった
「総苞片」の「角状突起」が、ものすっごく デカいです。
良く見ると「総苞外片」だけでなく、「総苞内片」にもちゃんと、大きいのが付いてます。
「総苞片」の「外」の長さが「内」の半分くらいだった関東タンポポに比べ、
ヒロハタンポポ(東海タンポポ)は「外」が長くて「内」の2/3ほど有るのと、
この大きな「角状突起」が特徴。見分けのポイントとして図鑑にも載っています。
この「角状突起」はつぼみの時の方がよく見えるそうなので、
つぼみの写真も…

派手にツンツンしてますよ、つぼみのうちから。
これ、ヒロハタンポポ(東海タンポポ)ですよ!と、言い切ってしまって良いものやら。
それとも、
ヒロハタンポポ(東海タンポポ)の特徴を強く残した関東タンポポ!!と言うべきなのか。
そこの所は、素人の哀しさで…よく解らないんです。
…っていうか、誰が教えて〜! \(><)/
次は はい、蝦夷タンポポっぽい個体です。

ほらほら、このガク(萼)、もとい「総苞片」!!
今まで見てきたのと、また、違うでしょう?
図鑑の説明ですと、
『エゾタンポポの(総苞)外片は卵形または広卵形で直立し、角状突起はふつうない』
…そうです。
何か、どかんとでっかくて、ころんと丸くて、可愛いガク(萼)ですよね。
図鑑の写真の中でも一番可愛いタンポポだったので、いつか北海道に旅行することがあったら
見てみたいなと思っていたんですけれど、
うちの近くの道ばたで会えていたなら、それはそれですごいかも(^^*)。
こちらもまた、蝦夷タンポポですよ!言って良いものやらどうやら。
でね、調子に乗って これも…

…すわ、関西タンポポも発見か!????と、思ったら大間違い。
これは、関東タンポポの痩せた個体です。
関西タンポポは、関東、東海、蝦夷よりも、一回り小さくて、
ガク(萼)のところが細いのが特徴。
でも、
関東タンポポの、
「総苞内片」も「総苞外片」も立っていること。 ←ここは同じでも
「総苞外片」は「総苞内片」の半分か、ちょっと短め←ここのところが違って、
関西タンポポの
「総苞外片」は「総苞内片」より かなり短め…なんです。
上の写真は 明らかに 関東タンポポのプロポーション。
現に、この株のそばに 太ったのから痩せたのまで、
いろんなタイプの関東タンポポがありましたので、そこでも確認できました。
大きさの話が出たので図鑑の説明を比べておくと、
関東タンポポのお花(頭花)は、直径3.5〜4cm
東海は、やや小さめの約3cm
蝦夷は、やや大きめの4cm
関西は、明らかに小さく見える2〜3cm。
西洋タンポポは個体差の大きい 3〜5cmだそうです。
でも、この数字は図鑑に載っている目安です。
環境やその株の育ってきた年数によっても違います。
で、いつもおさんぽしている公園で見つけた
関東タンポポにしては大きいお花をものさし付きでご紹介して、
今年のタンポポのガクリポートは終了です。

見慣れていて、見飽きていると思ったタンポポでも、
改めて調べてみると、意外な事実が隠れているものですね。
まとめとして、それぞれのお花を見た場所も付け加えておきますと、
関東タンポポは、公園の奥の方に多く、
何十年も土が動いていないような古い場所に群生しています。
公園の入り口近く、この20年くらいのうちに造成や区画整理で
土地をいじったことのある場所には西洋タンポポも混じっていました。
でも、他の草も多いところには、関東タンポポも元気に咲いていました。
交通量の多い道ばた、商店街、新興住宅地はもちろん、西洋タンポポの独壇場です。
東海っぽいのや 蝦夷っぽいのは
どこの種が落ちて芽吹いても不思議のない 道ばたで見つかっているので、
雑種説も純粋種説も 可能性はあると思うんですよね。
まぁ、こうして公にしておけば、どこかのきとくな詳しい方が
何か教えてくださらないとも限らないので…←最終的には人任せ。(^^;
こうして、ブログに載せておきます。
いやぁ、面白かった。面白かった。
引き続き、また、観察をつづけてみたいと思います。
セイヨウタンポポは本当に繁殖力が強いです。うちの庭にはまた新たにセイヨウタンポポが咲いています。あと、プランターにも。
ここんとこ、タンポポのページを見まくって、
にわかタンポポ通?になった気分です。(^^;)
にわかながら、西洋タンポポのために言い訳させていただくと、
確かに花期は長いし、たねの数は多いし、自家受粉で殖えちゃうのですが、
たねが小さいこともあり、西洋タンポポの競争力自体は
さほど強くないそうです。
ただ、西洋タンポポの好む環境が、人里を中心に
増えているだけとのこと。
環境が戻れば、在来種の方が強いそうですよ。
いろいろ解ってまた、観察が楽しくなりました。
この↓ページなど、オススメです。
「タンポポ調査近畿2005」
http://www.nature.or.jp/shoko/Tampopo/Kinki_2005/
「タンポポの観察」
http://www.geocities.jp/tampopo7007/index.html
ぼくも勉強しなくては…。
ひとくちにタンポポと言っても奥が深いものなんですね。
今、雑種も次々見つかっているらしく、目が離せない状態のようです。
用が無くても ついつい、タンポポ見るとひっくり返したくなります。
タンポポ、ホントに奥が深〜いデスね!
いろいろ勉強になりました。
(^人^)ありがとございました。
今後に生かしたいですぅ・・。
タンポポ見るとひっくり返したくなるって、そうとう
タンポポ沼にはまってますヨねっ!( ̄▽ ̄)ニヤリ
タンポポ、本当に 奥が深いんですよ。
もお、何だかタンポポ見ると気になっちゃって、
よそ見して歩いてて、何かにぶつかりそうですよ。←危
いずれまた、ガク(萼)の画像コレクションを集めに行こうと思っています。
ああ、またマニアックになっていく…。(−”−)