シキンカラマツもタニタデも、クサフジだってチダケサシだって、
ぼぉーっとしてても目に飛び込んできますが、
この花にだけは、えっちらおっちら、坂道登って 会いに行かなきゃなりません。
子どもが主役のキャンプ中、あんまり自由になる時間はないのですが、
それでも、多少無理してでも、また会いたかった特別な花。
私の中では戸隠の大スター♪とびきりの美人のシラヒゲソウです。
まずは愛らしいまるこい葉っぱと、まるこいつぼみを。(^^)

うふふ…ついつい にやけちゃう。○ン様に会えるよりこっちの方がうれしいわ。
次は少し開いた花を。

シラヒゲソウはユキノシタ科ウメバチソウ属、山地の谷沿いの湿地に生える多年草。
花びらの縁が細かく裂けている様子を白いおひげ(髭)にたとえての呼び名です。
去年、キャンプに出かける直前に図鑑の中に見つけた「オオシラヒゲソウ」の写真には、
撮影場所として戸隠高原の名前がありました。
素敵な花が咲いているんだ、会えたらいいなと思っていたら、
偶然、移動中に見つけちゃったんですよ。こういうコトって心に残りますよね。
去年の記憶を頼りに、今年もまた見に行ってきました。
3枚目は もっと開いたお花です。

同じ花の開くところを追いかけたんじゃありません。
偶然デス。
小川の縁の 足場の悪いところに↓こんな風に咲いていました。
つぼみと、開きかけと、開いた花と…3つ。

1年ぶりに会えてうれしいけれど、去年より花の数が減ってました。
これから咲くのなら良いのですが、ちょっと心配です。
全国的に数を減らしているようです。
綺麗な水、冷涼な気候…生育条件が限られる、特別な山の花です。
けして 手出しなどなさらぬように。里に持ってきても育ちません。
それに、山で出会うからこそ、有り難みも増そうと言うものでしょう?

ほらっ、地上に咲く真っ白い星ですよ。直径は2〜2.5cmくらいですけど。
今回、もう一カ所、生育場所を見つけちゃいました。嬉しいです。
でも、2カ所とも数株ずつしかありません。
web検索をかけてみると、ものすごく群生しているところもあるようです。
いつか見にいきたいな、夜空の星ほど たくさん咲いているところを。
属の名前になっている「ウメバチソウ」は、草の姿は似ていても、
まん丸い花びらが梅の花のように付くので、印象はかけ離れています。
とても近い種類には見えません。
でも、2つの花の 造りはとてもよく似ています。
真っ白なので わかりにくいのですが、
この花の中央にはこんもりとした めしべがあります。
でも、おしべが花粉をすっかりこぼしてしまうまで、めしべは熟さず待っています。
花の中央に目立つのは、まず、先が3つに分かれた仮おしべ。
3つに分かれた先に黄色い腺体を付けて虫を誘います。
3つ×5本で15個。小さいけれど、黄色くて目立ちますね。
…多分、蜜がでていて甘いはず。お味見のチャンスはあるかしら。
次に大きなヤク(葯)のおしべ。
シラヒゲソウのは灰色がかって、
オオシラヒゲソウのは黄色みがかっているそうですが…、
2つ並べてみないとわかりませんよね。(^^;)
このおしべが一日に一本ずつ開いて黒く熟し、花粉をこぼすのだそうです。
あちこちでとった花を、おしべに注目して並べてみました。

一日に一本ずつ、5本あるから5日がかりで花粉を出します。
役目が済むとおしべのヤク(葯)は、小さく縮んで花びらの後ろに隠れるように
そり返ります。
(見事なそり返りっぷりですよ。)
それから中央の 大きなめしべの部分が開いて、違う花の花粉を待ちます。
自家受粉を避ける巧妙な仕組みですね。
だからこの花は、
おしべやめしべの位置を見れば、咲き始めて何日目の花か解るんですよ。
いやぁ、初めてこの花の写真を撮ったときには、何か変な虫ごと撮っちゃったよ〜って
がっかりしてたんですけど、おしべだったんですよね。
(虫と見違えるほど大きいんです。)
毎日少しずつ表情が変わるなんて♪魅力的な花ですよね。
できることなら この花のそばに泊まり込んで、
10日ほど、連続写真を撮ってみたいものです。
シラヒゲソウは、本州、四国、九州の山地の谷沿いで見られるそうですが、
オオシラヒゲソウは秋田県から兵庫県といいますから、
本州の中央の山地の岩場でのみ、見られるそうです。
あちこちで絶滅危惧種になっています。
大事にしてください。また 会いたいです。
サイト内関連ページ
2005年度版
1日目・2日目
3日目
4日目
web日記には2004年度版と2003年度版もあります。
去年出会った草花たちの記事は「山で見た木や花」のカテゴリーにまとめてありますよ。(^^)
2006年度版は
1日目
2日目
3日目
4日目ですね。
【関連する記事】
私はまだ見たことがありませんのでうらやましいです。
ウメバチソウは先日見ましたが、たしかに構造はソックリですね。
いつか山へ行って、見たいものです。
ほんとかわいいです。山でしか見れないんですね。ウメバチソウもお店で一度見たきりです。
普通に見れるのは、お菓子の「ウメバチ」ぐらいです。。。
はい、去年あちこちのブログで調べて作戦を練って、
ポイントを絞って写真を撮ってきました。
うまい具合に、
あたかも経過観察したように組み合わせることができましたが、
まだまだ、反省点が多いんですよね。
そんな意味もこめて、来年も会いたいです。
戸隠でこの花が咲いていた場所は、
行くのが大変な山奥ではなくて、観光スポットでした。
きっと会えますよ。お楽しみに♪
私は今度はウメバチソウに会えるのを楽しみにしておきます。(^^)
ご期待にお応えできたようで何よりです。(^^)
特殊な場所でしか見られない、とっても素敵なデザインの花。
シラヒゲソウも、ウメバチソウも素敵ですよね。
こういう花こそ、アートフラワーや造花にしてくだされば、
気軽にお部屋に飾れるのにな…なんて思ったりします。
遠出できないので、お山の花はめったにご紹介できません。
シラヒゲソウは本当に特別な存在です。
見ていただけて、私も嬉しいです。(*^^*)