2011年01月14日

万葉の庭 3

今日も気温は低いけれど、風がなく穏やかでした。気づいてみれば、ちまたは
センター試験の直前なんですよね。我が家も去年は、高校と大学のW受験で
大変でした。センター試験も受けに行ったけなあ。んで、今年は、後輩受験生を
受け入れる準備するのに邪魔だって事で、我が家の大学生はお休み。
じゃあ、どこかへ行くか?って事で、自転車でちょこっと遠出して、普段は車で
しか行かない大きなショッピングセンターへ行ってきました。足はガクガク
いっちゃったけど、ウィンドショッピングを楽しんで来ました。

記事の方は「万葉の庭」シリーズの3回目。もう少しお付き合いください。

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こちらはミツマタのつぼみ。暖かそうな黄色い花が咲くのは早春です。







「さきくさ(三枝)」
はっきりは解っていないそうですが、私が見た場所ではミツマタに、この名札が
ついていました。

他にも福寿草や沈丁花など、10種もの候補があげられるそうです。何を連想したら
似合うでしょうね。たとえばこんな歌です。

「春されば まづ三枝の 幸くあらば 後にも逢はむ、な恋ひそ我妹」

はるされば まずさきくさの さきくあらば のちにもあはむ なこいそわぎも

春になると咲くさきくさのように大過なく無事であったなら、後でまた会えるで
しょう。そんなに恋いこがれないでおくれ、愛しい人よ。

ミツマタ…似合いそうですが、中国から伝来した時期との整合性とかなんとか、
決め手に欠けるらしいです。





「さなかづら(真葛)」
モクレン科サネカズラ属の常緑つる性植物、サネカズラ(実葛)のことです。

小豆を丸めたお菓子、鹿子にも似た可愛い実を付けるのですが、時すでに遅し。
葉っぱしか残ってません。(^^A)

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樹液が粘るので、江戸時代には整髪料として利用され、美男かずらなんて呼ばれても
いたそうです。


紹介されていたのはこんな歌です。

「あしひきの 山さな葛 もみつまで  妹に逢わずや わが恋居らむ」

あしひきの やまさなかづら もみつまで いもにあわずや わがこいをらん

山さな葛の葉が色づくまで、愛する人に逢わずに私は恋つづけているのでしょうか。)


常緑のつる性植物ですが‘もみつ’(紅葉する)んですよ。

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こんな風に…。ちょっと、色付きが悪いですけどね。(^^A)

近所にサネカズラのつる、無くなっちゃったなあ。

04_1014_sanekaz.jpg

以前、この公園で撮ったサネカズラの実の写真を載せておきますね。
2004年だから…6年前? 




カラタチ(枳)
ミカン科カラタチ属の落葉低木。原産地は中国。

中国から渡ってきた橘だから「唐タチバナ」でカラタチ。何から身を守ろうとして
こうなっちゃたのか、一度聞いてみたいくらいにトゲトゲの木です。

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カラタチの花は童謡にも、歌謡曲にも取り上げられる人気者ですが、万葉集の中の
歌として紹介されていたのは、こんなちょっとふざけたような歌。


枳の 棘原刈り除け 倉立てむ  屎遠くまれ櫛造る刀自

からたちの うばらかりそけ くらたてむ くそとおくまれ くしつくるとじ

からたちと茨(うばら)を刈り除いて、倉を建てるぞ。屎(くそ)は離れたところで
しなよ、櫛(くし)を作るお姉さん。


宴の席で即興に読まれたみたいです。それと、万葉の頃の人は下の話もそんなに
タブー視しなかったらしく、万葉集には結構良く出てくるらしいです。
おおらかだったのよ…と言うことにしておきましょう。

今そんなこと宴席で言ったら、セクハラよって、職場の女性達から嫌われますよね。

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どんなに猛烈にトゲトゲの木でも、春には新しい葉っぱが出るんですね。
トゲの間の冬芽の写真も撮ってきました。








万葉の頃には、桜より人気者だった梅の花。萩に次ぐ2番目に たくさんの歌に
歌われたそうです。ご一緒するのは、雪やウグイス。

ただねえ…ウグイスは、梅の花が咲く頃にはまだ、活動を始めていないんです。
ウグイスにやってくるのはメジロなんですけど…見間違えちゃったのかな?
それとも、メジロじゃぁ、物足りなかったのかなあ。

万葉集に出てくる梅は全て白い梅だったと考えられているそうですが、うっかり、
ピンクの梅を撮って来ちゃいました。だって、可愛かったんですもの。(^^;)

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ぬばたまの その夜の梅を た忘れて、折らず来にけり 思ひしものを

ぬばたまの そのよのうめを たわすれて おらずきにけり おもいしものを

あのときの夜の梅を忘れて折らないで来てしまいました。折ろうと思って
いたのに。


綺麗な花は枝を折って愛でるものなんですね。梅を歌った歌のリストを眺めていたら、
枝を折る歌ばかりでした。花盗人は罪にならないって事なのかしら。

桜はダメですが梅は、折れちゃった枝でも、落ちちゃったつぼみでも、かなり長く
花を楽しめますけどね。もちろん、現代では、梅の枝を勝手に折るのは厳禁です。
風や小鳥が 折っちゃった、落としちゃったもの限定ですよ。


で、歌に戻りますが…「あのときの夜」って、どの時でしょうね。(^m^)




ねづ(ムロノキ)
ヒノキ科ビャクシン属の常緑高木。針のような葉を ネズミよけに使ったことから
ネズミサシとも呼ばれる。

11_0114_nedu.jpg

ねづ(むろのき)が読まれたのは哀切の情が漂うこんな歌です。

「吾妹子が 見し鞆の浦のむろの木は 常世にあれど 見し人そなき」
                             大伴旅人
わぎもこが みしともうらの むろのきは とこよにあれど みしひとそなき

私の妻が 行きに見た鞆の浦のむろの木は 今もまたこれからもここに在るけれど、
これを見た妻は居ないことだよ

浜島書店 「万葉の植物 ねづ(むろのき)」

大伴旅人は太宰府に赴任してすぐに、長年連れ添った奥さんを亡くしたそうです。
妻に先立たれた悲しみを沢山の作品に残したそうで、これもその中のひとつだと
いうことです。千年以上語り継がれる妻恋の歌。幸せな奥様ですね。



この他には、五葉松が有りました。

11_0114_goyoumatu1.jpg

ほら、ワンセット5本の松葉。

11_0114_goyoumatu2.jpg

松が出てくる歌は有りましたが、五葉松を歌った歌は見つかりませんでした。
でも、せっかくあの有名な五葉松に会えたから、記念にパチリ。




それから、キヅタ(フユヅタ)の実。

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ウコギ科なので、同じ科の ヤツデの方に似ている実です。
ナツヅタはブドウ科なので、どっちかって言うとブドウ似の実が付きます。

つるは見るけれど、なかなか実を撮るチャンスがなかったので、載せておきます。


ただし、ツタが出てくる歌はあっても、どうやら テイカカズラのことらしいので、
ここに載せるのはやめておきます。


他にもいろんな札は立っていたけれど、なにぶん真冬です。ほとんどの植物は
枯れて休眠中。今度はこの万葉の庭に、花や葉が沢山ある季節に行きたいと
思います。



次回は、大きな公園の写真シリーズを一回お休みして、昨日見てきた‘寒くないと
見られないもの’をご紹介しますね。
でも、大きな公園で撮ってきた写真はまだあるので、それはまた、そのあとで、
ご紹介します。



参考サイト:

歌の紹介と解説
「楽しい万葉集:万葉集の入門サイトです」

浜島書店 「万葉の植物 ねづ(むろのき)」



シリーズ 大きな街の大きな公園 1/11撮影

2011/ 1/11付 「ロウバイ園」
2011/ 1/12付 「万葉の庭 1」
2011/ 1/13付 「万葉の庭 2」





posted by はもよう at 22:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 木の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。

朝から万葉の世界をお勉強・・・、優雅な朝であります(笑い)。
五葉松はわかりやすいですね〜、考えたことがありませんでした。
Posted by nakamura at 2011年01月15日 07:32
nakamuraさん、こんばんは。

はい、お勉強に…なったかな?
優雅な朝になったのなら良かったです。

五葉松には会えて嬉しかったです。

またそのうち、見に行ってきますね。(^v^*)
Posted by はもよう at 2011年01月15日 22:02
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