続いているなあと思っていたら、息子の通う中学で新型インフルエンザの流行がぶり
返しているそうです。慌てて今日、予防接種を受けさせました。来週受験する学校は、
インフルエンザの場合は、後日試験を受けさせてくれるそうですが、でもやっぱり、
かからないに越したことはありません。皆様もどうぞ、油断されませぬように。
さて、もう、怒濤のように常緑樹で責めております、今日この頃。

今回の記事もまぁ、似たようなもの(^^A)、ヒノキのそっくりさん、サワラとヒムロです。
この ↑ 写真の木はサワラ。水に強い材をおけ(桶)などに利用されてきた木です。
ヒノキ科ヒノキ属の常緑高木、サワラ。うちの近所ではヒノキよりも良く植えられている、
図体はでかくなるけれど、意外なほどありふれた庭木です。お魚にも同名さんが居ましたが、
字が違います。

葉っぱは独特ですね。こんな葉っぱに似ているのはヒノキの仲間くらい。
で、ヒノキとサワラの見分け方も、葉っぱがポイントです。
葉の裏に白っぽい気孔線があって、それがYの字に見えるのがヒノキ。

サワラの葉も、ヒノキ同様緑色の鱗片状で、ヒノキよりは小さく、先がとがっています。
葉裏の気孔線は、時に、XやHの字に見えます。

以前、このブログのコメント欄で、ご訪問下さった方に、観察会で聴いた
「わい(Y)はヒノキや」「エッチ(H)、サワラないで!」と言う覚え方を教えて
いただいたのも、良い思い出です。
もうひとつの見分けポイントは実です。
サワラの実は、ヒノキよりは小さくて表面がデコボコしています。

それに引き替えヒノキの実は、大きくてまん丸です。
地味ですが、これから咲くお花が見つかりました。

これです。葉の先の茶色いところ、これが杉花粉のあとに飛ぶ、ヒノキ科の花粉の元、
サワラのおばなです。まだまだ堅いつぼみですけどね。
サワラとヒノキについては過去記事でも取り上げていますので良かったら見てみて下さい。
2007/ 2/16付 「杉と檜と椹」
さて、サワラは、まだ良いんです。公園にはもっと手強い強敵が居るんですよ。
植物の名前調べを初めてずいぶん立ちますけれど、なかなか、名前が解らなかった木。

これ、この常緑樹。樹形はヒノキやスギ、サワラと一緒。
枝の先は、何だか、ぼわっと茫漠。とらえどころがない感じ。

背の高い木で、見上げてすぐに見える下の方に枝には、枯れ葉ばかり付いていて、
パッとしない感じ。
幹は赤っぽい茶色で、まぁまあ、スギのように細く長く樹皮がはがれる感じ。

樹形と一緒で、お仲間の木は、みんなそんな感じだから、どれだか特定するには
ちょっと材料不足で、ずっと名前が解りませんでした。
でも、名前調べ歴もだいぶ長くなったし、そろそろもう一度挑戦してみようと思い、
まずは、落ちていた葉っぱを写真に撮ってみました。

枯れ葉が多い中で、こんな緑の葉っぱも見つけました。
葉っぱはこのように小枝ごと、落ちていました。
更に近づいて、長さ数ミリの小さな葉っぱ、一枚一枚が解るように接写です。

ちょっと青白くて、なかなかお洒落な葉っぱですねぇ。
ヒノキの仲間よりは、スギの葉 ↓ に似ているよと 調べ始めたのですが、

意外にも、結論は サワラの園芸種 ヒムロだろうと言うことに落ち着きました。
web検索中に見つけた記述によると「ヒムロは姫ムロの略」で「優しいムロ」の意味
とのこと。
参考:大阪百樹 内 「ヒムロ」
また、「ムロ」とは、ネズミサシまたは、ネズと呼ばれるヒノキ科ビャクシン属の
常緑高木の古い名で、ネズミの足をも刺してしまいそうなトゲ状の葉っぱの木のこと
だそうです。
つまり、「ムロ」はトゲトゲして痛いけれど、見かけは似ていてもトゲトゲ痛くない
この木は優しい「姫ムロ」ちゃんだということですね。
記事前半のサワラの葉とは、似ても似つかないと思うかもしれませんが、じつは
この葉っぱ、サワラの 芽生えの頃の葉にそっくりなんだそうです。幼い頃の姿を
残しているサワラなんですって。
葉っぱが可愛らしいから、庭木などにするそうです。
でも、いつもおさんぽする公園のヒムロは、見上げるような大きな木。
芽生えたときと同じ葉っぱの可愛い木とは、あまりにかけ離れていて、図鑑にも
載っていたのに見過ごしていました。
ネットがなければ、ずっと、この木の名前にはたどり着けなかったことと思います。
ずっと名前が解らなかった木の名前に、インターネットのおかげでたどり着くことが
出来ました。

これからは、ちゃんと名前で呼んであげられます。サワラの園芸種のヒムロ。
改めて、よろしくね。(^▽^)ノ
ブログ内関連ページ:
2009/ 2/19付 「スギとヒノキ」
2008/ 2/25付 「スギとヒノキ」
2007/ 2/16付 「杉と檜と椹」